(9月13日更新) どまつりを終えて ~ご支援いただいた全ての皆様へ~
2021年・第23回にっぽんど真ん中祭りは、オンラインを基軸とした「テレどまつり」と題して開催。久屋大通公園は「テレどまつり」の二元中継先のひとつとして使用しましたが、市民の皆様に開かれた観覧エリアは設けず、無観客として実施させていただきました。
計画変更や配信上の不手際なども重なり、皆様にはご心配やご迷惑をおかけしました。
それでも、私たちの指し示すビジョンや想いに耳を傾けていただき、テレどまつりを支えていただいた皆様には、感謝しかありません。ご視聴・ご参加いただいた皆様、近隣地域にお住いの皆様、スポンサー・パートナーの皆様、行政、メディアの皆様、そして、準備段階から本番後の清掃活動に至るまで見えないところでもご支援いただけたボランティアの皆様など、どまつりと共に歩んでくださった全ての皆様に、心からの感謝と御礼を申し上げます。
テレどまつりは、「時間」と「場所」を共にできない環境を逆手にとって生まれたものです。いつでも、どこでも、誰でも、どのような環境でも、自由に参加できるテレどまつりは、まさに「多様性の証」であり、我々の取り組みが大きく進化するキッカケにもなりました。
今年の4日間にわたるテレどまつりには、日本全国47都道府県・国内外より、従来のどまつりの2倍以上となる438チームからエントリーをいただきました。
〝分断〟が常態化する時代に〝繋がり〟がもてる魅力や、日本国内に留まらず世界中の魅力ある「ご当地」を旅行しているような気分を味わえることなどが、テレどまつりが受け入れられた理由であったと感じています。
そして、今年は「市街地開催プログラム」と題して久屋大通公園に無観客のステージをつくり、テレどまつりの二元中継先として使用させていただきました。感染症対策として、出演チーム同士の接触を避けるため30分以上のインターバルを設けたこともあり、会場内は従来のどまつりから全く想像できないほど静かなものでした。
2020年~2021年に発表した「テレどまつり撮影(練習)ガイドライン」では、各チームにおいて、それぞれの活動実態に即した「独自ルール」を定めることを要求しています。各チームはそれぞれに検討を重ねて、基本となるガイドラインをベースにしたオリジナルガイドラインを完成させました。
「市街地開催プログラム」の主な感染症対策は、(1)14日間の健康観察、(2)全来場者の交通経路の把握と動線調整、(3)全ての関係者にワクチン接種機会を提供すること。会場内は主催者の責任において「絶対」に安全な空間を作ります。しかし、これら3点は、出演するチーム代表者、メンバー、そして近親者の理解と協力なくして実現できないことです。そして、出演チームと主催者が信頼し合うことで初めて安心感が得られます。
祭りを終えた今、私たちは、参加チームの皆様を心から信頼していますし、私たちを信じて共に取り組んでいただいた皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。
2006年以降、愛・地球博を支えた精鋭医療チーム「SECDEM(2005年日本国際博覧会記念災害救急医療研究財団)」がどまつりの救急医療体制を支えています。その結果、どまつりの救急医療体制は全国に誇れるものとなりました。
医療チームと共に追求したことは感染症対策と熱中症対策の両立。例えばステージでは、物理的距離と発声を考慮するだけでなく、(1)ステージ上ではマスクを取り外すが声を発さず、(2)演舞後は呼吸が整うまでステージから動かず、(3)ステージから降壇するときはマスクを着用する、といった具合です。汎用ルールでは行き届かないところに数々の独自ルールを定めました。
そして、医療に関して私たちが徹底的にこだわったことは、街の医療に負荷をかけないことです。従来のどまつりでは救急車を場内待機させたり、消防指令センターの通信係員が祭り本部に常駐したりしますが、今はそのような時ではありません。街の医療や消防に負荷をかけない範囲を追求することで、祭りの規模は必然的に決まっていきました。
緊急事態宣言下、不要不急の外出を控えるよう呼びかけられる中、どまつりで踊ることは果たして不要不急なのか―。私たちは、この1年余り「どまつり会議」(チームと事務局の懇談会)などの機会を通じて皆さんの想いに触れてきました。どまつりで踊ることが「夢」であり「生きがい」だという人がたくさんいます。彼らの想いを前にして、どまつりが「不要」「不急」とは決して言えませんでした。そして、皆様に伝えたいことは、どまつりの医療チームも、私たちと同じ思いだということです。私たちは、そんな医療チームを心から信頼しています。
まん延防止等重点措置や緊急事態宣言が発出され、エリア全域に緊張が走る中、祭りの開催方針についてもご意見が寄せられるようになりました。世間では時に「メリットとデメリットの比較衡量」と言いますが、私たちは、「安全であること」「健康であること」以上に大切なことは無いと考えています。安全を阻害する要因があるのであれば、祭りを開くべきではありません。
ご意見をお寄せいただける皆様方には、私たちの考え(安全を阻害する要因はひとつも無いこと。)を丁寧にお伝えしてまいりました。報道の皆様にも多角的に取材頂き、感謝しています。
新型コロナウイルスは今もなお猛威を振るっています。私たちが20余年かけて培ってきた〝コミュニティの結束力〟は、このような時勢だからこそ、地域が元気になるための活力として、お役に立たなければなりません。皆様からの日頃のご支援に報いるためにも、一層の使命感を持って、この難局に立ち向かうことをお約束いたします。
テレどまつりは、私たちが掲げる理念を国内外に周知する機会でもあったと感じています。皆様の想いに寄り添い、社会のニーズに応えることは、時代や環境の変化に合わせて、どまつりが進化を続けることを意味します。テレどまつり同様に、これからの「にっぽんど真ん中祭り」にも、どうぞご期待ください。
そして本日、テレどまつり閉幕から15日目を迎えました。市街地開催プログラムにご参加・ご協力いただけた全ての皆様が、新型コロナウイルスに罹患することなく無事に本日を迎えられたことを確認いたしました。本日をもって、今年のテレどまつりを終了することができます。
「これからの取り組みが、今までの価値を決める」(公式ポスターのキャッチフレーズより)
このテレどまつりが、世界中の元気につながることを心から期待しています。
来年の「にっぽんど真ん中祭り」でお会いしましょう。
令和3年9月13日
公益財団法人にっぽんど真ん中祭り文化財団
専務理事 水野 孝一