どまつり合宿
【第24回どまつり合宿】第一部 講演会「どまつり“らしさ”」
日本三代名泉 岐阜県下呂市の下呂温泉「水明館」で開催する、どまつり合宿。
どまつり参加チームのリーダーやスタッフなど300人が集まり、
二日間にわたりみんなでどまつり・チームのことを考え、話し合います。
今回の合宿テーマは 「ら し く」
「らしく」とは、ある人や物事の特徴や性質がよく表れている状態
どまつりらしく、○○チームらしく、わたしらしく、、、
個性入り混じるチームだからこそ、多様性が集まるどまつりだからこそ、
一人ひとり、1つ1つ「らしく」を最大限に引き出すためのヒントを、合宿で深め合いました。
今回の合宿、1日目の講演会は、公益財団法人にっぽんど真ん中祭り文化財団の白山智恵より「どまつり“らしさ”」と題し、どまつりの理念に触れ、自分たちがなぜここにいるのか、自分らしさ、自チームらしさの軸を見つめ直す会としました。
①「あなたは、なぜどまつりやっているの?」
「踊りたいから?」「仲間がいるから?」「勝ちたいから?」「地域が好きだから?」
全部正解です。
価値観が違っても、一緒にいられる理由が“理念”
今日お話しさせていただくことは、「どまつりらしさ」を作るための祭りが掲げる“理念”の部分です。
② 物語|私とどまつりの出会い
理念の前に、そもそも私がなんでどまつりにいるのか少しお伝えします。
「にっぽんど真ん中祭り」において、現在、公益財団法人にっぽんど真ん中祭り文化財団の事務局長兼総括プロデューサーを務めています。
三重県津市出身で、大学進学を機に名古屋へ移り住みました。大学時代の4年間は学生委員会に所属し、創設者の水野孝一さんから二代目の実行委員長引き継ぎ、人と人、地域と地域をつなぐ「祭り」の力を信じ、長年その現場に立ち続けてきました。卒業後は同財団事務局に就職し、現在まで広報・企画・制作など祭り全体のプロデュースに携わっています。
学生委員会時代に一番力を入れたのは、どまつりキャラバン隊の活動です。当時、平成の大合併前で、東海3県には256の市町村がありました。その1つ1つの町を全て回りました。市役所や観光協会などに行っては、「この街で一番元気な人を紹介してください」と言って、その街からのどまつり参加チームを募るのです。1からチームの立ち上げに協力したところはたくさんあります。
キャラバン隊の活動の中で悩み、考えさせられたことがあります。
1つ目は、「よさこい」文化を押し付けるのではない。どこかのお祭りのコピーではなく、多様性、独自性を認め合う祭りにしないと行けないと思ったことです。田舎に行けば行くほど、その土地の文化や大切にしている祭りがあるのです。その地域の継承と尊敬と持つべきだと、そしてそれをもっと広く発信してもらえるツールになるべきだと思ったのです。
2つ目は、キャラバン隊でサイパンや、韓国、ロサンゼルスなど海外にも活動を広げた時のこと。2002年に韓国の釜山の東西大学の学生チーム「トルゴレ」が民謡にアリランを使い、チマチョゴリをアレンジした衣装でどまつりに参加してくれました。あくまでも日本の文化を押し付けるのではない、それぞれの文化を胸はって披露し、「それ、とってもいいね!」って、多様性を認め合うことの大切さを実感しました。
③ 理念の登場|どまつり50年構想
(1)どまつりの理念「どまつり50年構想」とは・・・
1.にっぽんど真ん中祭りは、其々の地域文化に誇りの持てるコミュニティづくりを推進する。
【要約】地域の「らしさ」を見つけて、誇れる仲間をつくる祭り
どまつりは、住んでいる街やふるさとの文化・歴史・想いを大切にするお祭りです。
踊りや演舞を通して「自分たちの地域っていいな」と感じられる仲間が増えていきます。参加すること自体が、地域に誇りを持てるコミュニティづくりにつながっています。
土着(ど=土) “地域の自己紹介”です。
どまつりビギナーは、「まだ知らない地元の面白さ」を掘る。
どまつりベテランは、「当たり前だと思っていた地元の価値」に気づく。
どちらも、同じ“土着”です。
【具体例】鳴海絞りや、豊川稲荷など、地域に根付いたチームが表現する圧倒的な説得力はもちろん、中京大学晴地舞が豊田市の小原歌舞伎を取り入れたり、緣志が蒲郡温泉を表現するにあたって、地元地域の人に話を聞き、知る努力をすることなど地域を知り、繋がるきっかけになります。
2.にっぽんど真ん中祭りは、人類共有の世界文化を目指す。
【要約】国や世代をこえて、文化を分かち合う祭り
どまつりには、日本だけでなく世界中の地域文化が集まります。
年齢や国籍、性別に関係なく、誰もが主役になれる場所です。
みんなで文化を持ち寄ることで、世界にひとつの新しい文化が生まれていきます。
どまつりは、違いを比べて勝つ祭りじゃない。
違いを持ち寄って、「面白いね」って言い合う祭りです。
3.にっぽんど真ん中祭りは、世界の地域文化が集い、誰もが創る全員参加型の祭りを目指す。
【要約】「みる・つくる・おどる」みんなが参加できる祭り
どまつりは、踊る人だけの祭りではありません。
演舞を見る人、応援する人、運営に関わる人、行政・企業・メディアも含めて“全員”が参加者です。街全体で力を合わせて、一緒に祭りをつくり上げることを大切にしています。
④理念を掘り下げ、噛み砕いた5つの軸

◆創造進歩(つくり続けて、成長し続ける)
「もっと面白くできる?」「もっと感動させられる?」と考えながら、市民が創り上げるエンターテイメントです。新しいアイデアに挑戦し、少しずつ前に進み続けることを大切にしています。
どまつりビギナーは、「前例を知らない」からこそ、新しい。
どまつりベテラン人は、「前例を知っている」からこそ、更新できる。
その掛け算が、どまつりです。
◆どまつり性(ご当地らしさを表現する)
どまつりの「ど」は、土着の"ど"。その土地に根付いた文化の「ど」。それぞれのチームが、自分たちの地域ならではの歴史や想い、雰囲気を、踊りや音楽で表現します。「このチームにしかできない表現」があること、それがどまつりの魅力です。
上手いかどうかより、「あなたたち“らしい”か」が大事。
どまつりは、よさこいではありません。ご当地自慢を表現する祭り。よさこいは、よさこい節の民謡があり、鳴子を持って踊るというルールがあります。踊りの形式に、フラダンス、ヒップホップ、よさこいなどジャンルがあるとすれば、どまつりという、新しいジャンルなのです。
◆地域交流(世界とつながる)
どまつりでは、年齢も国籍も関係ありません。地域の人、日本中のチーム、そして世界の仲間と出会い、交流できます。文化を分かち合う中で、新しいつながりや新しい文化が生まれていきます。
知らない人と関わるのは、
正直ちょっと怖い。
でも、その一歩が
祭りを“自分の場所”に変えます。
◆人材育成(人が育つ祭り)
まちづくりは人づくりから。どまつりは、踊りだけでなく「人」が育つ場でもあります。チームをまとめる経験や、地域と関わる経験を通して、将来、地域を支えるリーダーへと成長していくことが期待されています。
ビギナーは「できなかった自分が、できるようになる」
ベテランは、「誰かを育てた自分に、気づく」
相互形成がおきます。
◆コミュニティづくり(人と人のつながりが広がる)
チームを中心に、地域の中に新しいつながりが生まれます。地域からの「期待」に気づき、それに応えようと頑張ることで、信頼が生まれ、応援が広がり、コミュニティはどんどん強くなっていきます。そのつながりの連鎖が、どまつりを支えています。
どまつりは、「期待し合える関係」をつくる祭りです。
学生さんにとっては、初めての“社会に近い場所”。
社会人にとっては、仕事じゃないのに本気になれる場所。
【具体例】たとえば、笑゛が犬山祭の山車(やま)を引く、梃子(てこ)になったり、心纏いも若宮祭りの山車(だし)の「楫方衆(かじかたしゅう)」として参加したり、富有樂猩や、半布里、そして30周年を迎えるバサラ瑞浪をはじめとするチームが、地域の観光大使として任命されたり、地域から「期待」されているからこそ、その地域にとって不可欠な存在となっていきます。
⑤ 理念は“困った時”にこそ効く|コロナとテレどまつり
やり方に縛られると、組織は止まる
コロナ禍になると人を集められないため、役割を果たせないから中止しよう、とも思いました。でも、「どまつり」の本来の役割はこういう時こそ、それぞれの地域やコミュニティで、役割を果たさなくてはと。結束力ってこういう時こそ発揮できるんじゃないかと思ったんです。
他の祭りと同じように「中止」を選んだら、大切な時に今後機能しなくなるのではないかと。「理念」を軸に考えることで新しい発想が生まれました。壁にぶつかったときに、「どうする?」ではなく「そもそも何のためにやっているのか?」「何がしたくてここまで来たのか?」に立ち返ることで活路が見えたのです。
当初の形から変化しつつあるテレどまつりは、今ではどまつりが体現する「ご当地自慢の祭り」を映像で魅せる場としての役割を担うようになりました。まさに、ご当地自慢の短編映画祭です。
映像参加では、人数に関係なく、地元の市長さんの出演や動物との共演、さらには火や水を使った演出など、表現の幅がぐっと広がります。
また、地域での撮影には地元の協力や撮影許可が欠かせません。その過程でチームの活動への理解が深まることで、多くの人を巻き込み、地域に根ざしたチームとして成長することが期待されます。
3年前にはじまった、モリコロパークで行う秋のどまつりも、劇場版どまつりも、そしてこのどまつり合宿も、このどまつりの理念に沿って、意味と意義を持って開催しています。立ち止まる時は、理念、そしてどまつりらしいと思えるものなのか、結びつく判断なのか。と、迷った時に少しだけ振り返るおもりとなっています。
理念があるから、既成にとらわれずに変化できた
⑥ 自分ごと化|チーム理念
チームの中には純粋に踊りたい人もいれば、絶対に優勝したい人がいます。同じチームで目標が混在していると、チームが分離したり誰かが犠牲になったりすることがあります。
そんなチームがギスギスしないためには、「何のために皆で踊るのか」というチームの理念を言語化し、そこに焦点を当てて、そこから自分たちのあるべき姿を考える。すると、自ずと答えが見えます。
理念や使命感あれば、やり方を変えても別の方法を考えることはできます。
⑦ 次の世代へ|物語を引き継ぐということ
理念は受け継ぐものやり方は、あなたたちが創るもの
理念は“守るもの”じゃなく、“迷った時に戻ってくる場所”だということです
どまつりについて、それぞれがそれぞれの立場で物語を語って欲しいと思うんです。いつまでも「創業者の水野さんのストーリー」だけではなく、もちろん主催者だけもなく、参加しているみなさん、それぞれの物語として表現して欲しいと思っています。
これは、数年前にどまつり合宿で講演していただいた、「V字経営研究所 酒井英之先生」のご講演で学んだことですが、「二代目は、先代の気持ちを一番語れないといけない。」「そして誰よりも理念に共感し、理念が好きでないといけない。」
次に受け継いだものが、先代以上に、どれがけ熱量持って語れるかが大切だと思っています。
どまつりの理念は、想いであり、完成したわけではありません。
思いは受け継ぐ。
やり方は、みなさんと一緒に創る。
次にこの祭りを語るのは、今日ここにいる皆さんです。
今日ご参加いただいている皆さんは、もちろん今年、祭りにご参加いただける皆さんであると思います。でも、卒業したり、チームを離れたり、これからの人生で少しずつ関係性が変わります。
私の想いは、どまつりは、
「参加した人の人生のどこかに、静かに残る」。
毎年関わらなくても、肩書きが変わっても、
距離ができても、ふとした瞬間に「あの感覚、どまつりだな」って思い出される存在でありたい。
にっぽんど真ん中祭り・どまつりは、
多様性を認め合う祭りであるとともに、人が“自分で選んで関わる”ことの価値を、何十年もかけて証明し続けている場所です。
「これからが今までを決める」

講演会後、テーブルチームで、感想を共有しました。
(ページ上部の写真です)
事後アンケートでいただいた感想も、いくつか共有します。
★感想★ チームの理念を基に話し合ったり考えを深めたりして、もっともっと自チームらしさを大切にできるチームにしていきたい。私は役職こそないけれど、ないなりに意見を伝えたり同じ立場の人たちに共有したり、、、できることを頑張りたいと思う。
★感想★ チーム内で理念を共有し、対話をすること、同じ目標をもち、同じベクトル、熱量で臨むことの大事さについて学んだ。
★感想★ 危機であるときこそ、理念を見直すというところが学びになった。
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